先日、進級式がありました。
進級式が終わり、その後は、父兄の勉強会となりました。
その中で興味深かった内容をご紹介します。
1978年からほぼ5年ごとに、保育所・幼稚園・小学校を対象に、「体の調査」をしている 大学の教授がいます。
その調査の際に、先生方からは 「最近、子供のからだが、どうもおかしい」と聞くそうです。
「つまずいたときにとっさに手が出ず、顔から地面にぶつかっていく」
「投げられたボールをよけきれず、目に当たる」
「まっすぐに走れずに蛇行してしまう」
子供のからだのおかしさ の回答としては保育所・幼稚園・小学校ともに、アレルギーと 皮膚がカサカサしているという回答が上位に上がっていて、2006年の調査でも 「医師から アレルギーと診断されらことがある子供」は、全体で50%を超えたそうです。
アレルギーは、からだのさまざまなところに現れる と言われているそうなのですが、子供たちがじっと座っていられないのも、脳のアレルギーではないかという指摘が研究者の間で、出始めているそうです。
子供の神経活動を分けると5タイプになります。
その一つは、興奮も抑制も強くない幼児タイプ(そわそわ型)の子供です。幼児に多いのですが、小学校に行くようになるとぐっと減って、中学校ではいなくなります。
小学生になると興奮が強くなってくるので、低学年や中学生では押さえのきかない子が増えてきます。そして高学年では次第に抑える力もついてきて、切り替えのよい子になっていく。これが本来の子供の前頭葉の発達過程でした。
ところが、最近はこの興奮も抑制も強くない幼児タイプの子が、小学生でも少なくないのです。
男子の場合は高学年になってから、むしろ増えています。
まさに発達の逆戻り現象です。
小学校で学級崩壊がおきている実態は、このそわそわ型の子が多くなっていることが原因と考えられています。
続いて、どうにも止まらないタイプ(興奮型)の子も、今では小学校の低学年や中学生に多かったのが、高学年あるいは中学生で増えています。
いわゆる「ギャングエイジ」です。これも小学校高学年から中学校でおきている学級崩壊という現象になります。
さらに、今までほとんどいなかった、興奮が強くなる前に抑える力が強くなってしまうタイプ(抑制型)の子も出てきました。こういう子は、おとなしそうに見えますが、無理に自分を抑えているために、いったん押さえがきかなくなると、興奮が噴出してくるのです。いわゆる「突然キレル」子供は、こういうタイプの子ではないかと、想像できます。
いずれにおいても 「興奮の強さ」 いわばアクセルの強さがしっかりと育っていないことが共通しています。
興奮の強さを育てるには、からだを使った「熱中体験」を生活の場でつくることです。
「じゃれつき遊び」 「崖のぼり」(腕を使ってハイハイして崖を上る)
「折り紙」 「ねんど遊び」 等で、腕や手を使って遊ぶことが、脳の働きを高め、子供たちの発達を促してくれるそうです。
今の子供たちは、テレビやゲーム漬けの状態で、「体を動かさない生活」にどっぷり浸かっています。 しかし、意識的にからだを動かして遊ばなければ、からだも心も発達させ、頭を働かせることはできません。
高いところに登りたがるのなら、「危ないからやめなさい」 と止めるのではなく、登らせて、見守ってやる。
泥遊びは、服を汚してもいいから自由に遊ばせる。
親も一緒に遊べば、子供はきっと喜ぶはずです。子供の遊びたいという自発性を大事にしながら、アクセル(興奮)が高まる経験を、たくさんつくってやって欲しいと思います。
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